2026年07月13日
「個人年金返戻率144.5%」
「外貨定期預金 金利5%」
こんな数字を見ると、「銀行に置いておくより良さそうだな」と感じませんか?
実際、私のところにも「この商品はお得ですか?」という相談がよくあります。
しかし、お金の世界では数字が大きいから良いとは限りません。
むしろ、表面上の数字だけを見て判断すると、思っていた結果と違うこともあります。

高利回り=有利とは限らない
金融商品を選ぶとき、多くの人は利回りに目が向きます。
もちろん利回りは大切です。
しかし、本当に見るべきなのは「何%増えるか」ではなく、
「自分の生活にどれだけプラスになるか」です。
例えば、年5%で増えたとしても、その間に物価が3%上がっていれば、
実質的な増加は2%程度です。
つまり、お金の価値そのものを考えなければ、本当の成果は見えてきません。
外貨建ての商品でよく紹介されるのが豪ドル債券です。
日本より金利が高いため、年4?5%程度の利回りが提示されることもあります。
数字だけ見ると、とても魅力的です。
しかし、金利の高い国はインフレ率も高い傾向があります。
仮に利回りが5%でも、物価上昇率が3%なら、実質的な利回りは2%程度になります。
さらに外貨建て商品には為替リスクがあります。
せっかく利息を受け取っても、円高が進めば円換算したときに利益が減ったり、場合によっては元本割れになったりすることもあります。
高金利の裏には、それなりの理由があるということです。
最近は、一時払い終身保険を活用した資産運用の相談も増えています。
「15年後に返戻率144%」という数字を見ると、かなり増えるように感じます。
確かに、元本が減らずに増えていく仕組みとしては魅力があります。
ただし、ここでもインフレの影響を忘れてはいけません。
仮に今後20年間、年平均2%の物価上昇が続いた場合、20年後の物価は現在より約1.5倍になります。
つまり、保険金が1.44倍になっても、物価がそれ以上に上がれば、お金の価値としてはほとんど増えていない可能性があります。
では、一時払い終身保険は意味がないのでしょうか。
そうではありません。
保険には運用以外の役割があります。
・万一のときの死亡保障
・相続対策としての活用
・受取人を指定できる安心感
・現金以外で資産を保有する選択肢
こうした機能は、投資信託や債券にはない特徴です。
だからこそ、「利回りだけ」で判断するのではなく、「何のために持つのか」を考えることが大切なのです。
金融商品選びで失敗する人の多くは、「数字そのもの」を見ています。
一方で、上手に活用している人は「数字の意味」を見ています。
・年5%だから良い。
・返戻率144%だから得。
そう考えるのではなく、
・ 物価が上がったらどうなるか
・円高になったらどうなるか
・ 自分の目的に合っているか
まで考えています。
同じ商品でも、人によって良い商品にもなれば、合わない商品にもなるのです。
長く続いた低金利時代が終わり、日本でも金利や物価が動き始めています。
これまでは「元本保証かどうか」が大きな判断基準でした。
しかし、これからは「実質的に資産価値を守れるか」がより重要になります。
利回りだけを見る時代から、お金の価値を見る時代へ変わりつつあるのかもしれません。
あなたは何を基準に選びますか?もし今、金融商品を検討しているなら、一度こう考えてみてください。
「その商品は、本当に自分の目的を叶えてくれるだろうか?」
利回りの数字だけでは見えない部分に目を向けることで、選択は大きく変わります。
お金を増やすことも大切ですが、それ以上に大切なのは、自分の人生に合った形でお金を活かすことです。
金融商品を選ぶときは、ぜひ「実質で考える」という視点を持ってみてください。