2026年09月15日
「昔から入っている生命保険、そのままにしていませんか?」
最近は株価の上昇やNISAの普及もあり、
「お金をどう置いておくか」を考える方が増えました。
預金だけでなく、投資信託や株式、国債など、選択肢も広がっています。
ところが不思議なことに、昔から入っている生命保険だけは、
ほとんど見直していないというご家庭が少なくありません。

お話を聞くと、
「途中で解約すると損だから」
「若い頃からずっと掛けているから」
「保障はあるから問題ない」
「ここまで払ったのにもったいない」
という声をよく聞きます。
もちろん、医療保険や死亡保険など、「保障を買う」ことが主な目的なら、
必要な保障が確保できているかが大切です。
しかし、養老保険や終身保険など、将来お金が戻ってくるタイプの保険は少し考え方が違います。
保険であると同時に、家計の大切な資産でもあるからです。
例えば、20年後に1,000万円を受け取れる保険があったとします。
「1,000万円戻ってくるなら損はしていない」
そう思いますよね。
でも、お金には「時間」という考え方があります。
仮に年3%で運用できる環境が20年間続くとすれば、
20年後の1,000万円の現在価値は約554万円です。
逆に、今ある1,000万円を年3%で20年間複利運用できれば、
約1,806万円になります。
もちろん、実際の運用では利回りが保証されるとは限りません。
ここでお伝えしたいのは、
「同じ1,000万円でも、いつ受け取れるのかによって意味が違う」
ということです。
「今解約すると50万円損するから、そのままにしておこう」
これもよくある考え方です。
でも、本当に確認したいのは、これまでいくら払ったかだけではありません。
「今日から先、その保険を続けることが家計にとって良い選択なのか」
ここが重要です。
今解約すれば一時的に損が出ても、その資金を別の方法で活用することで、
10年後、20年後には違う結果になる可能性があります。
反対に、昔の保険には現在では考えられないほど
条件の良い契約もあります。
だからこそ、「解約する・しない」を先に決めるのではなく、
まず数字を確認することが大切なのです。
「無配当保険だから解約した方がいい」
という話でもありません。
昔の生命保険には予定利率が高いものもありますし、
死亡保障など保険ならではの役割もあります。
確認したいのは、
「今解約するといくら戻る?」
「10年後、20年後はいくらになる?」
「死亡保障はいくら必要?」
「これから払う保険料はいくら?」
「実質的にはどの程度増える?」
ということです。
これを整理すると、続けるべき保険と、見直してもよい保険が見えてきます。
NISAの運用成績はチェックする。
銀行の預金金利も気になる。
住宅ローンの金利上昇も気になる。
それなのに、何百万円、場合によっては何千万円もの保険料を払う生命保険については、
「昔から入っているから」で終わっていないでしょうか。
特に40代、50代、60代は、教育費から老後資金へと、
お金の目的が大きく変わる時期です。
子どもが独立すれば、大きな死亡保障が必要なくなることもあります。
一方で、これからは「残された家族のためのお金」だけではなく、
自分たち夫婦が老後に使えるお金も考えなければなりません。
だからこそ生命保険も、昔決めたままではなく、
今の暮らしに合わせて考え直す必要があります。
保険の見直しというと、「解約させられるのでは?」と思われる方もいます。
でも、本来の見直しはそうではありません。
今の保険を続けた方が良ければ、そのまま持てばいい。
良い保険なら、むしろ「これは残しましょう」
とお伝えするのがFPの役割だと思っています。
大切なのは、なんとなく続けることではなく、
内容を理解したうえで続けること。
生命保険も、時々「健康診断」をしてみてはいかがでしょうか。
あなたが20年前に選んだ保険は、
今のあなたの暮らしにも合っていますか?
まずは一度、保険証券を取り出して、
「保障」だけでなく「資産」という視点から眺めてみてください。